10時間の振動の末    AiAF Nikkor 180mmF2.8D

AiAF Nikkor 180mmF2.8D 写真資料Nikon
資料ホンダ
 今日の二輪車業界は、スクーターが主力商品となっている。これだけ流行ることは想像していなかっ
たが、小生は、その先駆け的存在である。ホンダのビッグスクーター「フュージョン」に乗っていた。当時、
東京に住まいがあったことから、都心での渋滞を避ける有効な移動手段であった。ある日、このスクー
ターのリヤボックスの機材を積んで、東京―名古屋間を走った。ちなみにこの二輪車は、乗っている感
覚は乗用車に近いものがあり、快適である。しかし、後部座席に乗ると、その大きさや安定感は、良い
ものの、エンジンの振動が、そこそこ伝わってくることが分かった。したがって、後部座席やリヤボックス
へ精密機器を積んで長時間走行することは、好ましくない。そんなことを知るきっかけとなったのが、東
京―名古屋間の10時間ロードであった。大型スクーターといっても250ccのエンジンは、高速道路では
非力である。もともと二輪車は、空気抵抗を体に受けることから高速道路走行は、結構疲れるものであ
る。フュージョンは立派な風防があるのでその点は、幾分楽である。しかし、気温変化などを肌で感じる
二輪車は、気持ちが良いが、半面、暑かったり寒かったり、それなりにダメージもある。
 そんな訳でツーリング気分で、一般道を使って、東京の住まいから愛知の自宅へ向かった。大きなリ
ヤボックスの中は、ニコンF3とレンズが105mm・180mmとソニーのビデオカメラV5000。
用賀を過ぎてからの国道248は気持ちが良かった。静岡県に入っても疲れを感じ始めたものの快調で
ある、休憩をしながら愛知県に入ったが、さすがに愛知は車が多い。面倒になって、高速へ入り帰宅。
10時間の所要であった。
 翌日、機材を使おうとしたところ、DC105mmが、なにやら、ガタガタとする。ソニーV5000は、そのとき撮影した分は問題なかったが、それ以前
に撮影した分の再生をすると酷いノイズでまともに見られない。ソニーへ修理を出したところ、ヘッドがずれていたそうで、そうなるとずれてから撮影
した分が、次は、再生できないという事態となった。一方、カタカタとした感触のあったDC105mmは、使用中レンズが、3分割したかのような、ガタ
ツキとなった。これもニコンへ出して修理をした。いずれも、振動に晒されたことが原因であった。
V5000は、やはり上級アマチュア機であった。DC105mmもその構造上、長時間振動は、設計の想定外だったということか。しかしながら、関心し
たのはF3と180mmである。これは、まったく異常が無かった。しかし、そういう意味では、常に振動に晒される、二輪車を含む車のメカのテクノロジ
ーの高さは、すごいものである。




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